昨年末に、久しぶりに旅行をしました。

基本的に寒いのが苦手な僕ですが、向かったのは長野県。美ヶ原高原にある「山本小屋ふる里館」という標高2,000mの山の上にある極寒の宿。

“じゃらん”の評価は4.9というとんでもないハイスコア。特に前情報を仕入れた訳ではなく勢いで予約して行ったのですが、本当に素晴らしい宿でした。

出発前からのおもてなし

旅行の1週間ほど前に、宿からメールがきました。

下諏訪駅(友之町駐車場)からの無料送迎バスの御予約を承りました。下諏訪駅前から駅前通りをまっすぐ進んで突き当たり信号の正面に友之町駐車場が有ります。
駅から徒歩3分(約250m)のところになります。無料送迎バスは駐車場の中ほど左側に停車しております。

下諏訪駅付近には駅から徒歩約10分で諏訪大社下社秋宮、オルゴール記念館、足湯、しもすわ今昔館などがあり、旧中山道の宿場町の散策スポットもあります。
また昼食のとれる御食事処や蕎麦店、お土産店なども充実しています。駅前の観光案内所には散策マップやグルメマップなども用意してあります。

早めにご到着になって、周辺を散策されたり、お食事される場合は無料送迎バス(マイクロバス)が12:00すぎより駐車場に待機しておりますので、お荷物をバスの車内にお預かり出来ます。

標高2000m近くですので気温差が下界と10℃ほどあります。氷点下10~15℃くらいまで下がる可能性があります。基本的に雪の入りにくいものや防水・撥水性のもので、防寒性のあるものが最適です。風が強い場合も多いので十分な防寒が必要です。

予約していた送迎バスの連絡ですが、ただ時間と場所を伝えるだけでなく周辺の散策スポットの案内付き。しかもバスは早めに居るから荷物も預けていいよと。

もうこの時点でいい旅館な気がしてなりません。

下界との気温差10℃という文字にビビった僕は、ゲレンデに行く装備で下諏訪に向かいます。

特急あずさに初めて乗りました。あいにくの天気で下界の時点ですでにかなり寒い。知らない街に降り立つ瞬間の、なんとも言えない感覚が好きです。

駐車場に行くと送迎バスが待機していました。

出発まで時間があったので、駐車場近くの休憩所にあった足湯で一休み。無料の足湯には地元の高校生や子どもがワラワラと。いい雰囲気です。

下諏訪の駅から美ヶ原高原の宿までは、バスで1時間超。少しづつ雨が雪に変わって行きます。

バスに揺られて宿に到着。雲と霧と雪で視界が見える色がまるでモノクロの世界。

早速チェックイン、フロントの方から案内を受けます。この宿の売りは「朝と夜の無料ツアー」。朝には近くの絶景スポットへ、夜には望遠鏡を持ち出した天体観測が宿泊者限定で体験できます。早速期待を胸にツアーの申し込みをして部屋に向かいます。

小屋とうたっておりますが部屋はキレイなホテル仕様。断熱も効いた暖かい部屋です。夕方のチェックインだったのでサッとお風呂に入って食事へ向かいます。

怒涛の豪華コース料理

旅行の醍醐味の半分は食事。もう半分は景色や出会いといった体験でしょうか。とにかく美味しいものを食べることは旅の大きな目標の一つでもあります。

この旅館はその点でもぬかりありません。ぬかりどころかやりすぎなほどに豪勢な食事を楽しめます。

信州そばに焼き魚にヒレ肉の溶岩焼き。

豪華豪華。

信州の幸がこれでもかという勢いで登場します。

おおよそ一人前とは言えない量のコース料理ですが、なぜか食べられてしまう。恐ろしい旅館です。

「もう苦しい」と浴衣の帯を緩めていると、「お夜食のおにぎりは如何ですか?」と山盛りのおにぎりを持ってくる笑顔のスタッフさん。2ついただきました。

突如始まるビンゴ大会と名物社長

本来であればこの後に天体観測の予定でしたが、あいにくの天気のため雲が厚く星空が見えないよう。

その代わりにスタッフの方と社長さんが、宿泊客を集めてビンゴ大会を開催してくれました。

中央の方が山本小屋ふる里館の社長様。まさに名物社長、と思えるひょうきんな方で、抜群のMC力でお客さんをいじりながらビンゴ大会を進めていきます。

「おさかなBINGO」と書かれた紙に、野菜と果物の絵を描いていくというカオスなゲーム。

この手作り感が暖かくて和みます。淡々と進まない分、お客さん同士の交流も生まれつつビンゴは進行していきます。

ちなみにかすりもせずにビンゴには負けましたが、見事ビンゴを達成された方は長野のワインやお漬物をもらっていました。

ビンゴ大会が終わるともう良い時間。旅行すると日中にいろんな刺激を受けるからか、夜はあっという間に睡魔に襲われます。もう一度お風呂に入って温まりつつ、柔らかいベッドに飛びこんで就寝。

早朝の絶景雪上車ツアー

ふるさと館の朝は早い。

昨日の天体観測は残念ながら流れてしまいましたが、朝のツアーは決行されるよう。

普段より少し早い、外はまだ薄暗い時間に起きて完璧な防雪防寒着に着替えます。ユニクロのウルトラライトダウンの上にスノーボードのウエアを着込みました。

外に出るとこの景色。

積もった雪と山のもやで、モノクロの世界が広がっていました。

ハイエースにキャタピラを搭載したといういかつい雪上車に乗り込みます。この車もふるさと館の社長が数百万かけて改造したそう。これに乗れるというだけで中々の体験。

フロントから見ても20m先くらいは何も見えません。

しかし運転する社長はガンガンアクセルを踏んで行きます。20km/hくらいのスピードで雪の上をゴリゴリと山頂に向かって突き進みます。

10分ほど走ったところからは歩きでスポットへ向かいます。

針葉樹と雪はさすが相性がいい。

見上げるとまだ月が出ていました。

朝の月というのもなんとも不思議な感じ。

パノラマスポットへ着きました。いわゆる山頂の展望スポットのように整備された場所ではなく、断崖絶壁。手すりや柵のない場所です。

ただ雲と霧でしばらくは薄っすらとしか麓が見えません。

しかし10分ほど粘っていると、

僕らを察したように一瞬雲が晴れてくれました。薄っすらと雪化粧された山肌が美しい。

なんと晴れた日には、日本百名山の2/3がここから見渡せるそう。朝焼けと雲と雪。その場にいた10人ほどはこの景色と流れる雲に目を奪われます。

ちょっとするとまた雲が迫ってきて眼下を覆ってしまいます。雲を上からみる体験も中々できないですよね。思ったより早い動きに驚き。

この景色をひとしきり楽しんだら、またキャタピラハイエースに乗り込んで下山。朝ごはんを食べに宿に戻ります。

また大量のご飯、朝から最高かよ

宿に戻って着替えると、なぜかまたホールに集まるよう促されます。

まだ何かイベントがあるのかと向かうと、

スタッフの方がお餅をついてました。ちなみに朝ごはん前です。

お客さんも続々と集まり、1人ずつ餅つき体験もさせてもらえます。小学生ぶりに杵を持ちました。結構難しいもんですね。

社長だけでなく他のスタッフの方々も常に明るく、従業員の方々の仲がとてもいい様子。掛け合いを見ているとこちらも自然と笑顔になります。

お餅も順調に仕上がり、小分けにして振る舞ってくれました。

手際よく千切ってはきな子を絡ませます。突きたてのお餅は最高。いくらでも食べられる気がしましたが、5つほど食べた後、この後に朝ごはんなことを思い出して自制しました。

集まったお客だけではこの時食べきれず、持ち帰る用に皆分パックまでしてくれるおもてなし。

そのまま食堂へ流れます。

昨日の夜に続き、また大量の食事。食べ放題のパンに、窯焼きピザ。さっきのお餅と合わせて炭水化物&炭水化物&炭水化物。

その場にいたお客さんで完食したテーブルはなかったんじゃないでしょうか。皆お腹をさすっていました。

しかし抜かりないふる里館。食べきれない事も織り込み済みのようで、パンのカゴには持ち帰り用の袋も入っており、余ったピザも包んでくれました。多分お昼ご飯はこれでいい。

チェックアウト

時間をかけて朝食を食べた後は、支度をしてチェックアウト。

最後まで明るい社長の見送りを受けながら、送迎バスに乗り山をおります。

関係ないですけど、雪の山道を運転できるドライバーってほんとすごい。尊敬します。

最後に子ジカのサプライズ。バスの運転手さんが、「鹿がいました!」と車を停車して教えてくれました。最後までお客さんに優しい。ついでにシカもしっかりカメラ目線をくれる。

1泊しかしていないのに、ビンゴ大会に絶景ツアーにお餅付きとイベント重ねに加えて、食べきれない幸せなご飯。

これで1人18,000円。冬休み時期にこれだけのおもてなしでこの値段は安い。このふる里館はリピート率がすごく高いそう。それも納得です。
少なくとも今回は天体観測が流れてしまったので、また来た時には体験したいし、夏にも来たい。

チェックアウトする前から、また来る気になってしまっています。

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