個人的な話で最近引っ越しをしました。
東京に出てきてこれ4度目の引越し、新しい部屋に行くと同時に気持ちもスッキリする感覚が僕は割と好きなんです。毎回その部屋の雰囲気とその時の気分で空間を作るので、僕は持っている家具の多くを引越しの度に手放してしまいます。
新しい部屋は比較的綺麗な1LDKの物件、落ち着いたダークトーンの床と大きな独立キッチンが魅力的な空間です。内見の時に、このキッチンと謎に電動開閉する雨戸に感動し、ほぼ勢いで入居を決めてしまいました。
入居が決まるともう、僕の頭は新しい部屋をどう作るかでいっぱいでした。
普段過ごすリビングと、食事を作るキッチン、それを食べるダイニングが同じ部屋にあるLDKを、できるだけ広いまま活用したい。
今回考えたアイデアは、明るい窓際に「小上がり」を作り、それを中心に、ダイニングテーブルやテレビを配置して空間を作ることにしました。ざっとイメージを絵にして見ます。
SkechUpという無料でも使える3Dソフトでモデリングしました。このソフトはこの程度のモデリングなら本当に簡単にできてしまうので、DIYのイメージや寸法を確認する方法にとてもおすすめ。
今回は差し当たっての作業台、手始めにダイニングテーブルとなる長机を作ることから始めました。
テーマは「造り付け風の長机」。元々の白い壁の内側に木の板で新しく壁を貼ってしまい、そこに机の天板を固定することで、あたかも壁から板が飛び出しているようなテーブルを作成しました。
柱を立てる
まずは壁に柱を立てます。最近のDIYの代名詞とも言える2×4のSPF木材を使って柱を立てます。
材料をカットする前に部屋の天井高を正確に測っておきます。できるだけ垂直にメジャーが伸ばせる場所で、ミリ単位で測定します。ちなみに僕の部屋の天井は2380mm、一般的な住宅の天井高です。
2×4で柱を立てる時には、ディアウォールやラブリコが有名ですが、今回使用したのは八幡ネジの2×4アジャスターです。たまたま最寄りのホームセンターに売っていたのですが、決めてはシンプルで主張のないデザインと価格の安さ。ホームセンターでは1つ250円ほどでした。
左が1×4用、右は2×4用です。
木材を切ったら金具を取り付けます。
金具だけではアジャスターにならないので、別でフェルト付きのアジャスターを用意します。金具によって直径が違うので、ネジの太さを間違えないように気をつけます。ちなみにこのパーツは2つセットで630円でした。柱一本につき500円ちょっとの計算になります。
ディアウォールやラブリコと違ってこの金具は足元に取り付けるパーツがないので、ゴムのシートを貼って滑り止めにします。ちなみに木材を切りすぎて微妙に高さが足りない時、2~3mmであればこのゴムシートを重ねることで調節ができます。
柱を適当な感覚で立てていきます。エアコンの左側だけ、2×4が入らなかったので1×4で柱を立てました。
作業は基本的に屋内で行っているのですが、横着してマスカーで養生していたところ、新居のフローリングが早速傷ついていました。無垢ではなくプリントのフローリングなのでかなり傷が目立ちます。すぐにamazon prime nowでブルーシートを注文しました。
DIYするときは床の養生はしっかりしましょう。後悔します。
テーブルを作る
気を取り直してテーブルの天板の作業に入ります。
天板は18mm厚のパイン集成材を使いました。ホームセンターでサブロク板(1820mm×910mm)の板を幅600mmにカットしてもらい、400番までヤスリをかけたあと、ブライワックスで塗装していきます。
ブライワックスは伸びがいいので塗ってて楽しいですし、塗ったそばから乾いていきます。表を塗って裏を塗り終わった頃には表側はもう乾いているので、布やたわしでゴシゴシと擦り余分な塗料を払います。塗る→磨く→塗る→磨く、を2~3周します。
ブライワックスは乾いた後も、布で強くこすると色が移ってしまいます。面倒ですが、色移りがなくなるまで全力で磨きます。ぶっちゃけこの作業が全行程の中で一番しんどい上に超地味な作業。しかしここを怠ると後々困るのは自分なのでYouTubeでも見ながら無心で磨きます。
脚はアイアンペイントという塗料を使います。塗るだけで金属のような質感というフレーズを半信半疑に木材に塗っていきます。脚には2×2の木材を使います。
1度塗りでは木目がうっすらを残るので2度塗りするのがおすすめ。仕上げに刷毛を立てて毛先でトントンと粒感を出すように仕上げると金属風な仕上がりになります。
脚に使う2本と、それを繋ぐ横材を2本塗装します。脚の長さは701mm。一般的な机の高さ720mmから天板+滑り止めゴムシートの厚みを引いた分の寸法です。
脚と天板を固定します。2種類の金具を用いて取り付けます。
横材を取り付けるL字金具の位置が揃うように気をつけながら、金具を取り付けます。
天板の裏に、脚を取り付ける位置を記します。このときブライワックスを塗った後では、鉛筆でもボールペンでもうまく書けないことに気づきました。マスキングテープで位置出しをします。
天板に脚を取り付け、裏側からビスで固定します。
柱の間に余った2×4を取り付け、天板を乗せます。
これが反対側の足代わり。
一応L字金具で固定します。
これでとりあえずテーブルとしては完成しました。片方が柱に固定されているので、グラグラと揺れることもほとんどありません。
水平もチェックします。傾いていた場合は、脚にゴムシートを挟んで調節します。
柱に板を貼って板壁を作る
次に柱に壁を貼っていきます。壁には杉の荒板を使いました。幅180mm長さ1820mm厚み15mmの板が5枚で1500円程度。欲を言えば足場板の古材なんかを使いたいところですが、今回は値段重視で荒板を使います。
柱の位置に合わせてカットしながら板を貼っていきます。テーブルの天板が乗る箇所は切り欠きます。
荒板は反りや節、湿気による収縮も大きいので、ホームセンターでのカットはしてもらわず、一枚ずつ長さを測ってノコギリで調節しながら貼っていきました。
床まで板を張ると、テーブルがまるで壁から伸びているような見た目に。
これで今回の「造り付け風長机」の完成です。
壁の杉板は塗装するつもりでしたが、仮止めで板を張ると案外いい感じだったので当分はこのまま無塗装で行こうと思います。
ちょっとした工夫を。壁を木の板で埋めたらコンセントが使えなくなるので、後ろの壁のコンセントから延長ケーブルをひっぱり、板を切り欠いて出してきました。
今回使用した道具
関連:次は本丸「小上がり」の制作
壁と机を作ったことで、空間の下地を作りました。次は本番とも言える「小上がり」の制作です。気合いを入れて作ったので、ぜひ続きも読んでみてください。