危険なApple Pencilには手綱を”りんごのへた”

危険なApple Pencilには手綱を”りんごのへた”

2018年8月14日

僕はiPadに依存しています。私生活も仕事も、どんどんiPadがないと成り立たない環境になりつつあります。
iPhoneとiPad、どちらかを今すぐ叩き割れという選択を強いられたら、正直悩みますがiPhoneを投げ捨てると思います。

iPadが生活を変えた

建築を生業にしていると、職業柄紙を大量に消費します。学生の頃からA3対応のプリンターを用意し、図面や議事録、プレゼンシートなど嫌という程印刷します。
しかも図面は標準がA3サイズ。カバンもA3が入るかという点を重視して選んでいました。
学生時代はタウンページ並みの厚さのファイルをリュックに2冊入れて研究室に通っていたこともあります。プロジェクトが同時に複数動くと、毎日筋トレ状態。

一昨年iPad proを買ってから、紙を印刷する機会がグッと減りました。
書類や論文、本なんかはiPadで見る事が自然になりましたが、それでもA5サイズのノートは必ず持ち歩いていました。アウトプットはまだ手書き。書き込みが多い図面も、必ず印刷していました。

そして昨年Apple Pencilを手に入れた段階で、ノートとペンケースもカバンから姿を消しました。アウトプットやメモ書きまでiPadで事足りる状況になり、今持ち歩いているアナログ筆記具は、5×3情報カード数枚とぺんてるのトラディオプラマン一本だけ。随分とスッキリしました。

Apple Pencilは僕の中で革命的、図面を書くのはパソコンですが、見る・見せる図面は紙ではなくiPadの画面です。それに直接寸法を書き込んだり、イメージを貼り付けたり。現場に持って行ってチェックしたことを、そのままPDFにしてメールで送信。そんな事がiPadひとつで完結する感覚を知ってしまったら、もう戻れません。

アイデア出しや、タスクの整理など並列させたい情報は、小さい紙にアナログで書いた後にEvernoteに放り込みます。思考をある程度整理した以降の情報はデジタルで階層化。デジアナのいいとこ取りをするようになってから、カバンも仕事もすごくスマートになった気がします。

さらにブログを始めてから、smart keyboardを手に入れました。仕事以外ではyoutubeを流すor Kindleで漫画読む娯楽マシーンだったiPadが、執筆までiPadでできるようになって、紙どころかパソコンを開く機会まで減りました。

しかし悲劇

Apple PencilによってすっかりiPadに取り憑かれた僕ですが、悲劇が起きました。シンプルでスマートなペンシルは、無駄な装飾が一切ありません。故に僕の手から旅立って行きました。コロコロと。カフェでパソコンとiPadを広げて作業していた時でした。

隙を見て転がり落ちるApple Pencil。気づかない僕。

運悪くApple Pencilに足が乗る店員さん。気づかない僕。

のしかかる足に逆らう事なくスピンするApple Pencil。

不意を突かれた店員さん。気づかない僕。

舞うホットコーヒー。突如背中に刺激を受ける僕。

飛び上がる僕。膝をつく店員さん。

振り向く僕。青ざめる店員さん。

平謝りの店員さん。とりあえず上着を脱ぐ僕。

店員さんの足元にApple Pencil。平謝りの店員さん。

全てを察する僕。慌てて登場する店長。

後ろめたい僕。平謝りの店長。

Apple Pencilのことを説明する僕。気まずい雰囲気。

謝り合う男たち。

ええ、これは僕が悪いです。まるでコントでしたが、幸い誰も火傷せず大事にはなりませんでした。
ちなみにApple Pencilはコーヒーにがっつり浸り、壊れました。

買い直す僕、手綱が必要なApple Pencil。

1万円する高級ペンに若干のトラウマを覚えるも、もうApple Pencilに半ば業務を支配されているので、新しく買い直しました。
しかし同じミスを犯してはなりません。この危険物をどうにかして安全に運用しなければなりません。そこでApple Pencilと一緒に購入したのがこちら。

りんごのへた」というなんとも緩いネーミングの商品。700円くらいでした。Apple Pencilに取り付けるクリップですね。そう、クリップがあると転がりません!天才!

ペン先部からスゥーっと通していきます。

金属部に取り付けると、まるで最初からついていたかのような存在感。全く違和感がありません。
僕はしませんが、シャツのポケットに差し込むにはApple Pencilはちょっと長い。クリップがポケットの高さには来てくれません。
しかしこの「りんごのへた」は、クリップを任意の位置に固定できます。

半透明のゴムバンドが付属していています。

これをクリップの上下につける事で、クリップが滑らず固定できます。

一般的なペンとクリップ位置を合わせるとこんな感じ。胸ポケットに挟んだりするならこの位置がいいと思います。

ただなんともチグハグな見た目になりますので、僕は普通の位置で使用しています。

引っ掛けるクリップではなく、Apple Pencilが勝手気ままに歩き出さないためのリードの意味で使用しています。
これを使い出してからは、前のような悲劇は起こっていません。もしクリップをつけずに、野放しのままだったら、また僕はコーヒーを被っていたかもしれません。

Apple Pencilをそのまま机に置いている方。非常に危険です。無罪の店員さんに罪悪感を浴びせる前に、どうかクリップをつけてください。